北海道二人旅日記６日め
2010年6月24日（木曜日）雨のち曇り
この日は美瑛と旭山動物園に行って札幌に泊まる予定なのだが、まず動物園に行くか、先に美瑛を走り回るか、非常に悩ましいところであった。なぜなら午前中は雨の確率が高かったからである。雨の美瑛なんてまるで意味がないのだが、雨の中傘を差して動物園というのも、別にそこまで動物園に行きたいわけではない身としては面倒くさい。いろいろ考えて結局美瑛→動物園の順で回ることにした。
昨日ホテル入りしたときはいい天気だったのに、この日は朝から雨である。何なんだよいったい。ホテルのレストランで朝食バイキング。満席なのは仕方ないとして延々突っ立たせて待たせるとはどういう了見だ。しかもやっと案内されたと思ったら隅っこ過ぎて椅子が引けない席。それにバイキングとはいいながら、パン・コーヒー・サラダ・卵・ソーセージとほとんど選択の余地がない。目玉焼きの両面焼きが食べたいのに（笑）。
8:30雨の中出発。昨日みたいに途中で止んでくれないかなあ。というほとんど起こり得ないような望みを託して、雨の国道２３７号を呆然と南下していく。連れがカラ元気を出してわくわくしているのでそれに調子を合わせる。一度訪れたことがあるので、ああそうそうこんな感じの所だった、なんて言いつつ、この前とは天気が違いすぎてほとんど見覚えがない。
と言いながらもパッチワークの丘にさしかかる。
連れは果敢に傘を差して外に出て写真を撮る。北海道の魅力を引き出すカメラアングルに目覚めたようで、とにかく空が多めである。でもこんな天気の時に空多めの写真撮っても…と思うが口には出さない。
有名どころは一通り回って写真を撮る。こういう天気の日もあって、それでこそ自然なのだが、やはりがっかりである。晴れてたらこの写真壁紙にできるのになあ、などと未練がましく思ったり。
しかし、まだあそこがある。あそこなら天気に関係なくすごいから、連れと二人ではしゃげるはずだ。それは「ジェットコースターの道」。
地図では直線、実際は上下の起伏がすごいです。 ジェットコースターみたいでしょう？ 十勝連峰方面を望む
連れは一応すごいすごいと言ってくれたが、端から端まで走っても帰り道が長くなるだけなので、適当なところで引き返した。晴れそうな気配はないものの、雨が上がったので、車を降りて写真を撮ったりしてみる。それから昼食をどこかで食べようということで、るるぶに載っていたこのあたりの小洒落た店に行ってみたら休みだった。次に向かったのは「道の駅びえい丘のくら」。売店にはプロが天気のいい日に撮った写真の絵はがきか何かがあって、また「ちっ」と思った。私は北海道名物であるらしい豚丼、連れは丘のカレーライスを注文。メニューはすべて地元産の食材で作られているらしかった。
豚丼 丘のカレーライス。肉はひき肉です
食べ終わったら次の目的地、旭山動物園へ。途中、空が明るくなったり雨が降ったりと相変わらず天気が安定しないが、40分かそのぐらいで無事到着。ちょっと雨がぱらついているので、レインウェアを羽織って入園する。
泳いでいるペンギンは飛んでいるように見えますね アザラシも水中では俊敏です ホッキョクグマ
この動物園の人気の秘密は行動展示という野生での暮らしぶりが何となくわかるような見せ方にあるらしく、確かに泳いでいる様子などが見られるのはおもしろい。
オオカミ ワシ レッサーパンダ。かわいい。
あと、モグモグタイムと称する餌付けショーもよかった。少なくともそのときは間違いなく起きて動いている様子が見られるわけだから。ペンギンとレッサーパンダのモグモグタイムを見たが、レッサーパンダはかわいかった。
途中で雲が切れて結構強い日が差したりすると今から美瑛に行き直そうかという考えが浮かばないでもないが、ありえないので我慢我慢。しかし、大人が多い動物園だなあ。そして動物を見ることより写真を撮ることに一生懸命な人が多い。自分も含めて、であるけれど。せっかくかなり近くで見られるんだからよく見た方がいい。ところで暑さと疲れでソフトクリームを食べざるを得ない。冷たいよう、おいしいよう。
適当なところで動物園は切り上げて、今夜の宿がある札幌に向かう。道央自動車道でぴゅー。札幌の道は広くて怖い。相変わらず交差点の名前が２つあったりするし、交差点に右折レーンがなくて左折レーンがあったりするのもややこしい。でまた右折待ちの車がいると、その後ろの車が気軽にすいすい車線変更してくるのも怖い。「すいすい」と言ったのはつまりウインカーも出さずに、という意味である。札幌ではそういう「よけるため」の車線変更ではウインカーを出さなくてもいいということになっているらしい。
どうやら無事にホテルにたどり着いたときには本当にほっとした。ホテルはすすき野にあって、まわりは風俗店だらけであったが、風俗店とそうじゃない店があまりくっきりと分かれていなくて混在しているのが節操がないなと思った。
で、夕食は生ラムジンギスカンの店に行った。るるぶにも載っていて、店の名前が「○○本店」だったので、しゃれた店を想像していたら見つからなくて、地図だとこのあたりにあるはずなのだが、と目をこらしてよくよく探してみると、倉庫の２階みたいなところだった。カウンター席しかなくて、しかも席に着いただけで黙ってジンギスカンをセットされて、メニューを見たら確かに他に選択の余地はなく、せいぜい飲み物やご飯を選ぶぐらいのものだった。
生ラムジンギスカンは羊臭さがまったくなくて、そこは正直言って物足りなかったが、肉は軟らかいながらもそこそこ食べ応えがあってうまかった。くだらない水菜か何かのサラダとかなくて、肉メインでがっつり食える感じがうれしい。カウンターの中ではオーナーらしきおじさんがひたすらかたまり肉をジンギスカン用に切り出していて、その脇ではジンギスカン鍋を掃除する機械があって、何だか工場のラインを見ているようだったが、一皿800円のを二皿食って、ビールも飲んでご飯も食べて大満足。午前中、雨の美瑛をさまよったことなどすっかり忘れていい気分。
本日の走行距離：253km
（続く）