ちょっと古いんですが、映画『プライド～運命の瞬間』を見ました。中国にいた間、何かにつけて日本の戦争責任みたいなことを意識させられる機会が多かったです。例えば、中国人に「日本軍は南京で何人殺したか知ってるか」とか「六四は何の日か知ってるか」とか聞かれます。知らないので答えられないんですが、なんか、もうその、知らないというだけで悪いことをしているような気持ちになってしまいます。それが悔しくて私は「知らない」と言い張ります。「学校で教えないのか」と突っ込まれたらこう言います。「日本では歴史を学ぶときには人数や日付ではなくて原因を学ぶんだ」と。うーん、毅然としてますねえ。ウソ入ってるのが残念ですが。これでもさらに、じゃあどんな原因なんだと追及されたら奥の手です。

「あー、うーん…と、中国語だとちょっとうまく言えないんだ」

　最悪ですねー。でもとにかく、知らないものは知らないんで、知らないまんま謝るという無責任はしたくなかったんです。そこへ新ゴー宣の影響を受けたものですから、日本は日本なりに自国の利益を追求した結果、ああいうことになったんだと固く信じるようになりました。

　じゃあ、国益を追求した結果がどこでどうなっちゃって戦争をすることになったのか。その答えの一つがこの映画にあるんじゃないかと思って、レンタルビデオ屋でアダルトコーナーには目もくれずに借りてきて見たんです。

　ちょっと当てが外れましたね。私が期待していたのは「日本には日本の正義があった」という結論だったんですが、『プライド』のテーマは「東條は東條のスジを通した」というものでした。私はけっこう、こういう、あの○○で有名な××の知られざる一面、みたいな「知ってるつもり!?」的なものが好きなので、本来なら大当たりだったんですけど。ちょっと中途半端、と言うか、人間ドラマならもっと思い入れできるように作ればいいのに、変なところでニュースみたいに冷静なんですよね。

　縛り首になってぶら下がるシーンがあれば盛り上がったのになあ、と、ふと思った自分にちょっとビビりました。