キャプチャー My Life その４
キャプチャー車検（３回目）
キャプチャー号を買った時には息子が3歳、娘が1歳だったが、もう7年経って10歳と8歳である。買い替えを検討してもおかしくない時期ではあるけれど、買いたい車もないし、お金もないし、気に入っているし、というわけで3回目の車検を通すことにした。
その前にクルマを持ち込んで見積もりを頼んだ。担当営業が前回のＯ氏から変更になっていたことがそのとき明らかになった。Ｏ氏のちゃらんぽらんぶりには辟易していたのでむしろ喜ばしいことであるが、異動のあいさつもないあたり、最後まで悪い意味でぶれない人であったなあ。
で、見積金額が27万円だかだったので、その場では「ふむ」と言っておいて、帰宅してからエアコンの何やら添加剤とか車内抗菌処理とかどう見てもいらないやつを削って23万円ぐらいにした内容でお願いした。
ここのディーラーは代車にルノーの車は貸してくれなくて、国産のレンタカーなのだが、コンパクトクラスのレンタカーってアクアだのマーチだのミラージュだので、そりゃコンパクトはコンパクトだけど、格が落ちるし、何より一回り小さくてチャイルドシートの取り付けに制限があったり、子供の自転車が載せられなかったりで不便だったので、今回は事前に「ジュニアシートを使うので、コンパクトでいいからいわゆるＢセグでお願いしたい」と希望をしてみたのであった。
入庫日。用意されていた代車はホンダ・フリードだった。グレードはＧセンシング。いわゆる先進安全装備つきで、それはまったくありがたみを感じない私であるが、キャンプするならもう少し荷物が積めた方がいいな、カングーでもいいかも、シエンタはパチモン感がハンパないけど大きさ的にはベストだよな、なんて思い始めていた私には乗ってみたかったクルマの一つである。
運転してみての感覚はバスの運転手になったような感覚ではあるけれど、それがそんなにいやでもなくなっている自分にちょっと戸惑ってしまった。数年前ならコペンと比較してこんなの運転する楽しみゼロだわとか思ったに違いないのに。
帰宅してみると、子供、特に娘の反応がよかった。なぜなら、ドアの開け閉めが自分でできるから。スライドドアだから駐車場で隣にぶつけるからダメとも言われないし、電動なので力もいらないからである。キャプチャーでは前が見たくて助手席に座りたがるのに、フリードだと2列目がお気に入りになった。窓も大きくて下まであるから外が見やすいらしい。
車検が終わってキャプチャーを引き取りに行くという日、娘は「あの黒いクルマくん（キャプチャーのことは「クルマちゃん」と呼んでいる）がほしくなっちゃった」とまで言って、ディーラーへ同行したのであったが。
いざキャプチャーを引き取って帰ろうとすると、何だか挙動がおかしいのである。最初は何か踏んでいるのかなと思ったが、どうやらサイドブレーキが解除できていないような感触。何度かサイドを引いたり戻したりしたがダメ。見送ろうとしていた担当営業が「サイドブレーキが解除されていません」と言いに来たが、すでにレバーが下りているのを見てやばいと思ったらしく、降りてお待ちくださいと言われて再び店内へ。
これはとんでもない失態だぞ。車検通して12ヶ月点検もしたばかりのクルマが1mも走らないうちにブレーキトラブルだなんて。担当営業とサービススタッフが何やらあわただしげなのはともかく、レセプションは平身低頭してケーキセットでも持ってくるのが筋だろうと思ったが、何もなし。しょうがないのでセルフでドリンクを取ってきたが、娘はともかく私はのんびり飲んでいられる心地ではない。
見ると、どういうわけだかホイールをカンカン叩いてはクルマを動かしてみているが、左後輪ががっちりロックされて回らない。どこをどう叩いているのか知らないけど、それで直りましたと言われてもおとなしく乗って帰るもんかと思ったし、タイヤがすり減るからよせよとむかついてしまった。さっさとリフトに乗せて直せ。
5,6分そんなことをして、やがてサービスと営業が来て言うにはサイドブレーキが解除できない状態になっていてお預かりしてよく見させていただきたいとのこと。私は怒り心頭で「今回点検したところじゃないんですか」というのが精いっぱい。これ以上何か言おうとするとキレてしまいそうだった。
サービスの人の答えて曰く、「確かに今回点検整備した部分であって、不信感をお持ちになられてもしかたないが、見落としなどではなく、検査には通っている。その後の洗車で水が入るなどして固着してしまった可能性がある」と。
本当にそうなのか口から出まかせなのかわからないが、とにかくさらに預けるしかないのは間違いないので、何やらうれしそうな娘とフリードでまた帰宅した。もちろん修理代もレンタカー代もディーラー持ちのはずなのでいちいち確認しなかったが、さて、どうなることやら。
キャプチャー車検（３回目）の続き
結局、家に帰りつく前に電話が鳴って、直りましたというので引き返して引き取った。費用の請求は当然ながらなかった。あくまでもクルマを返す前の洗車時に水が入って固着した、という説を貫いてきたが、洗車時のしぶきくらいでホイールが回らなくなるなんて恐ろしいクルマだわ。ていうか、たかが洗車でそんな致命的なところに不具合起こさせるなんて、どんな水のかけ方してるんだろうとも思う。
悪いけどフリード返す前に再度満タンにするほどお人よしじゃないので、キャプチャー号にチャイルドシートを移設して、娘を積載して、さっさと帰宅した。
で、ふとリアガラスを見ると、頼んでおいたディーラーステッカーが貼り替えられていないのである。これは見積もりの段階で「何かここを見ておいてほしいってところありませんか」と尋ねられた時に、「○○さんのステッカーがボロボロはがれかけているので、新しいのに貼り替えていただけますか」と言って、そんなことはお安い御用でございますとばかりに引き受けてもらっていたことで、見積書の点検整備項目にも入れてあり、何なら引き取りの際の納品書にも「ステッカー貼り替え」と記載してあり、わざわざ口頭でも「引きしろ調整しました」「ワイパーゴム交換しました」みたいに「ステッカー貼り替えました」と確認してくれたのである。
メカニックが忘れるわけないから、Ｏ氏の後任である担当営業（私と同姓）が忘れたに違いない…と従来なら間違いなくそう思っていたが、ブレーキ固着の件でメカニックに対する信頼も崩れ去ったので、誰のせいだかわからない。しかしまあ、納品書に書いてあって、それを指さしながら「やりました」と言ったのだから、最終的には担当営業の責任である。て言うか、実際にクルマを見もしないで引き渡してたのかコイツは。
ただちに電話して「貼り替えてなかったんですけど」と言うと、失礼しましたと謝るのは当然だとして、「今度私がお宅にうかがって貼らせていただいてもいいですか」というのがちょっとこちらの希望というか予想と違うのである。オマエの来るときに合わせて在宅でいなければならないとか無理。それをやんわり伝えると、「貼るだけなんで差し支えなければお留守の時でもできますんで」ときた。やめてくれよ。留守宅の庭に侵入してクルマ触るとか。警報装置が作動するよ？ ないけど。それに「貼るだけ」じゃないんだな。古いステッカーの残骸をはがさなきゃいけない。そんな作業をよその家の庭でできるの、あなた？って、まあ、これは言わなかった。
最終的には、当然のことながら、「今度こちらからうかがったときでいいですよ」と言うわけである。「１年後の12カ月点検のときになると思いますけど」と嫌味を言うのも忘れない。だって留守中に家に来られるとかやだもん。ま、やらかしてしまったので必死に挽回しようとして、私に手数をかけさせずに自分だけで何とかしたかったのだろうけど。でも、意地悪な見方をすれば、会社に知られないように処理することをねらったとも考えられる。私としてはステッカーだけのためにもう一回来店しても別に構わないのである。アルカナに試乗させてくれるとか、マグカップとかミニトートとかくれるとかすれば。でもそういうの全然ないんだよなあ、この店。