昼休みに同僚と食事に出た。軽くラーメンでも食べようかという話になって、「あおば」と「おくど」とどちらにしようかと同僚が聞いてきた。どちらもそこそこ有名であるらしいが、私はどちらも行ったことがないのでどっちでもいいやという気持ちで「あおば」に決めた。
カウンターのみ１０席ちょっとの店内に待ち客が７,８人。正直に言うと、食い物屋で待たされるのは死ぬほどキライである。一つにはそんなにまでして食うほどうまい食い物などこの世にはない、と思うからだが、もう一つは、そういう店だと後ろに立たれたりして全然楽しく食えないからである。でもまあ、男の同僚との昼飯だから何でもいいやという気持ちで待っていた。まだ３月だというのに冷房が効いているのが店の「ラーメンをガツガツ食わせてやる！」というやる気を感じさせる。
メニューは中華そばとつけめん、それぞれの特製（メンマ・チャーシュー増量＆味付け卵）、で４種類のみ。特製中華そば８５０円、を注文。店の兄ちゃんは外国人なのか最近の若者とはこういうものなのか、変に聞き取りにくい日本語を話す。「ごにょごにょごにょ…すか？」とか言って疑問文だということしかわからなかったが、きっと注文内容を確認されたんだろうと決めて「うん」などと答える。
そして出てきた特製中華そば。まあ、もう二度と頼まないだろう。味付け卵というのが私に断りもなく半熟であった。今ここで言っても意味がないが、俺は半熟卵はキライなの！そしてスープのだしがきいているのだが、はっきり言ってききすぎていてイヤミ。おまけにしょっぱくて脂っぽい。最近の流行なのかもしれないけど。最初はへえ面白い味だなと感心したけど１杯食べる間にもう飽き飽きしてしまった。さらにチャーシュー。これは非常に不味いものであった。粗挽き胡椒なんかかけてごまかしているが、何の味もしない。そのくせ吐き気がするほど脂でドロドロしている。麺はまあうまかったけど、具がここまで好みとかけ離れていると問題外。
食い終わって店を出ると、同僚もあまりうまいとは思わなかったようであった。有名店だというので私の味覚のほうがおかしいのかなと思いもしたのだが、やっぱりうまくなかったんだ、と安心した。
しかし、有名な店とか行って、そこの料理が大してうまくないと気分がいいのはなぜだろう。俺はバカでミーハーな大衆とは違うのだよ、本物を味わい分ける男なのだよ、という自尊心が満たされるからだろうか。そういう自尊心もチャチなもんだが。
私が本当にうまい、こりゃ毎日毎食でも食える！と思ったのは外苑前の伊藤忠本社向かいにあった「青山園」という中華料理屋の「トリウマニメン」である。あのスープとあんかけは絶品だったなあ。あとちょっとだけ何か物足りない感じの味につられてサルのように食ってしまった若き日の私である。やっぱりラーメンは薄味がいいな。麺の味を楽しめるような。
夜は一人で松屋で食った。ヘルシーチキンカレー（豚肉入り）。ＢＳＥ騒ぎの影響でビーフカレーが消えて、登場してきたメニューである。ビーフカレーからチキンカレーでは格下げみたいだから「ヘルシー」とつけて付加価値を高めているわけである。名前だけだから原価ゼロで価値を付加できるというスバラシイ方法である。しかし、それに「豚肉入り」が付け加わると、これは付加価値とかではなく、ポークカレーという別の料理になっちゃってる、ということに誰か気が付かないのだろうか。
つーか、昼ラーメンで夜カレーって幼稚園児が一人暮らししているような食生活である。いかんなあ。
第13307章 2004年3月13日の思い出
休みなので家でぼけーっとテレビを見ていたら、ラーメン番組をやっていて、第何位のラーメンはどの店の何々、みたいなことをやっていた。こうやってテレビでやるから見た目ばっかりものすごげなギトギトラーメンが流行っちゃうんだよ、と苦々しい思いで見ていたら、第１位が何と、「青葉の特製中華そば」だった。ふざけんな、と思った。そうやってみんなでちやほやするから、見た目ばっかり派手で大してうまくもないのに焼肉定食半ラーメン付きよりも高いラーメンが増えるんだっちゅーの（古）。
